傷だらけ父さんのHappy Life Journey -マルファン症候群と共に生きる-

難病(マルファン症候群)をもち、これまで多くの手術を経験。そんな傷だらけ父さんの闘病記とハッピーな人生を追い求め挑戦する姿を紹介します。同じような境遇にある人、支える人達の不安を和らげ、諦めない気持ちへのエールになれば幸いです

大動脈解離 A型 ④入院の記録(大動脈基部置換術)

 初めて大動脈解離を経験したのは、この記事を書くかれこれ15年以上前の記憶である。記憶だけではあいまいなところもあったが、学生時代に日記を書く習慣があったので、その記録からまずまず正確な情報をとることができた。改めて読み返すと恥ずかしい日記だけれども、手術から回復していく過程がよく分かり日記の大切さを実感した。

入院概要

 手術日を含めてICUに4日間いることになった。3日目には、その場で立てるまで回復し、一般病院に移動した。

 その後一般病棟では3週間を過ごし、病棟内を自由に歩けたり、階段の上り下りも問題なくできるようになり退院。

 当初、順調に回復すれば一般病棟では2週間程の入院で退院できる予定であったが、不運にも気胸(肺のパンク)を発症し気胸の手術をすることになってしまった。気胸手術の回復の為に1週間長く入院することになってしまい、計3週間の入院が必要になってしまった。

 回復する過程で一番気を使った部分は、体正面にできた傷口だった。手術の過程でできた肋骨の正面の縦25cmの傷の回復ぐあいに合わせて動ける範囲が広がっていった。また動けるようになると気持ちもあわせて元気になっていった。

ICUでの4日間

 手術日とその次の日は寝たきりで、体を動かすことがほぼできなくて1番キツかった。手術後2日間は “しんどい。もう嫌。” と繰り返し言っていたみたい。酸素マスクや人工呼吸器が付いている間はなおさらつらい。

 私は大丈夫だったが、ICUのほかの患者はひどくつらそうな咳をよくしていた。看護師さんから聞いたところによると「タバコを吸っている人は痰が気道にからみやすく、咳もおおく出るから大変みたい。」とのこと。ただでさえ肋骨正面を切り開いていているのでクシャミ一つで飛び上がるほど痛いのに、咳が繰り返し出たら私には耐えられない。と思った。

 タバコ(禁煙)については「良き患者であるススメ」と題し、これから手術を受ける方、また将来その可能性がある方への経験者アドバイスをまとめている ので参考にして貰えれば有難い。(→コチラ

 3日目には食事(ゼリーなどの流動食)も出て、ベッド横で立つ練習もした。

 4日目には点滴などいくつか外れ、その場で何歩か歩ける様になった。

一般病棟での3週間

 一般病棟に移ると、一日一日何かしらの管(酸素チューブや尿カテーテル、点滴、ドレンなど)が体から外れて行き、身軽さを感じる様になった。また、それに伴って動けるレベルも向上していった。少しずつではあるが、確実に ”昨日よりは今日“ と日々の回復を感じていた。

 食事は基本的には、心臓の手術であり消化器は関係ではないので一般食だった。おかゆから始まり早い段階で普通米に切り替わった。

 おそらく患者それぞれで、血糖値や血圧、薬などを考慮したメニューにはなることになるとは思うが、全ては自分自身の回復を早める為に考えられて出された料理。味が薄いとか文句は言わず、ありがたくいただくのが一番いいと思う(よく病院のごはんはマズイだの文句を看護師さんに言っている患者さんをみることがあるが、あれは同じ病室で入院してるものとしては、聞きたくない。本当にストレスが溜まる。看護師さんからしたら迷惑だろうなぁ)

 ちなみにリハビリとして特別なプログラムはなかった。当時19歳と若いこともあって、一般病棟に移ってから4日目(手術から1週間後ころ)には病室と談話室を徒歩で往復できる様になっていた。

 思ったより早く動けるようになったので、すこしでも早く体力を回復させたいと思って階段を登り降りする自己流のリハビリをしだした。でもこれが体に良くなかったのか、その次の日に気胸になった。 運動・リハビリは自己判断せず、焦らず、看護師さん、リハビリ師さんの指示に従ってやるべきだと思った。

家族や友人のお見舞い・サポート

 一人暮らしの大学生であったこともあり、親、彼女に加えて、毎日のように、バイトの仲間、サークルの先輩後輩、大学の友人がお見舞いに来てくれた。お見舞いに来てくれると元気が出るし、来てくれること自体が本当に嬉しかった。今考えると、特に学生だった分、お見舞いに来てくれたことはとても嬉しくて、今でも一人一人の名前と顔を思い出す。

 また同じ学科の友人は、入院期間に講義やテストが受けられなくなる事によって大学の単位を落とす事がないように友人で集まって(私の知らないうちに)教授に相談しにいってくれていた。お陰で退院後、補講なり追加レポートで単位を落とす事なく進級できた。感謝でいっぱいだった。

 なお、いままで色々な病気、病院で入院した経験、お見舞いに来てもらった/行った経験から僭越ながら「良き患者であるススメ(番外編)」と題し、お見舞いに関するポイントをまとめた記事を投稿している。入院中の家族、友人のお見舞いに行きたいけど、“お見舞いって、どうしたら良いの?”という方の参考にしていただければ有難い。

 

*大動脈解離スタンフォードA型の発症から手術(大動脈基部置換)、入院、退院、日常生活に戻る軌跡ついてはカテゴリー⇒大動脈解離スタンフォードA型

にまとめています。

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